「今、コーヒー入れるから、………その間、シャワーでも浴びて来たら?」
カツ丼小僧に言われた通り、友梨は、リビングの隣の水色のバスルームに入っていった。
コーヒーの湯を沸かしている間、バスルームから、友梨のシャワーを浴びる音が聞こえてきた。
カツ丼小僧は、今すぐにでも、湯を止めて、バスルームのカーテンを開けて、
中を覗き込みたい衝動に駆られたが、何とか理性で押さえて我慢していた。
法律に触れる事を恐れている訳ではない、楽しみは少しでも後に残しておこうという訳である。
なんといっても、友梨は、彼にとって、初めて付き合う女だったのだから………。
彼がリビングのソファーで、コーヒーに砂糖を入れ、スプーンでグルグル掻き回しながら、
待っていると、バスタオルに身をくるんだ友梨が、顔を紅潮させながら姿を現した。
「えへへ、コーヒー冷めちゃうといけないから、早めに来ちゃった。」
二人は暫くの間、ソファーで向かい合ったまま、黙ってコーヒーを、ちびちびすすっていたが、
カツ丼小僧が、友梨に「君を抱きたい。」と言うと、彼女はコクリとうなずき、
おもむろに立ち上がると、身にまとっていたバスタオルを下に落とした。
彼女の生まれたまんまの姿が、あらわになった。
大きくて、たわわな白いバストとボリュームのある、くびれた体が目の前に飛び込んできた。
友梨の体の細かな描写については、ここでは省こう。
「お、おい、何だよ、いきなり………。」
彼は予期せぬ出来事に面食らった。
初めての女が、こんなにアッサリと自分の目の前に裸体をさらすなんて、ムードもなにもない。
内心、友梨に対して怒りを覚えたが、彼はそのような表情はおくびにも出さなかった。
自分を好きで愛してくれている女を傷つける事は、彼の最も嫌う所だったからである。
「と、とりあえず、ベッドルームへ行こう。」
二人は、寄り添うようにして、寝室に向かった。