カツ丼小僧氏の優雅な生活。 20

「すんませ~~~~ん、 口、割ってしもた~~~~~~。」

 

泥酔した二人の警察官が、責任者の前で、

30年以上前の漫才ブームのおさむちゃんみたいに、口を大きく開けて、おどけて見せた。

 

「あ、あんたら、け、警察官なのか?」

 

責任者は、ビックリして、未だに腰をゆすりながら、スリラーの真似をして、

体をくねらせている裸の警官を、マジマジと見つめた。

 

「ふはは……、酔って、踊って、はるばるここまでやって来たんだ。

 少しは丁重にもてなしてもらわなきゃ困るぜ。」

 

カツ丼小僧は、一旦、そう言うと、また急に真顔になり、二人の警官に向かって叫んだ。

 

「おい、お前らに質問する。 俺の事を警察に通報し、

 さも、凶悪な人間、犯罪者、泥棒のように言ったのは、この男である事に間違いないな。」

 

「へ、へい、間違いございません、そ、そうです。………こいつなんです、カツ丼小僧様、

 まったく、このトンチキ責任者さえ、警察に通報さえしてこなければ、こんな面倒な

 事案を抱える事は、無かった訳でして、………みんな、こいつが悪いんです、

 こいつを、日本国中で罰して、袋叩きにしてやりましょう。」

 

それを聞いて、責任者も、しょんべんをちびりながら、真っ青な顔をして怒り狂った。

 

「お、お、お、おい、な、な、な、なんてこと、ほざきやがるんだ。 

 て、て、て、てめえらこそ、う、裏金野郎の、ヤ、ヤクザ者の、税金泥棒だ。」

 

「まあまあ、みっともないから、喧嘩するのは、およしなさい。」

 

カツ丼小僧は、内心、ほくそ笑みながら、両者の間に割って入った。

 

「とにかく、警察に通報したのは、アンタだという事はわかった、

 今の会話は、テープにも取ったし、何よりも、ここにいる数十人の人達がれっきとした証人だ。

 つまり、アンタは、今まで、俺に対して嘘を突き通して、しらばっくれていた訳だ、

 この罪は大きいぞ、見返りとしてアンタのホテル、そっくりそのまま頂いちゃうよ、いいね。

 

 それから警察官にも言っておくけど、10年の長きに渡って、ガキの遊びにも劣る不当な捜査をし、

 俺の心を苦しめ、法を破って数々の犯罪を犯した事は強く反省されなければならない。

 その中には、殺人未遂のような、警察官にあるまじき行為まであった訳で、

 これは、断じて許す訳にはいかない。 キン○マ握り潰しと、チ○ポ串刺しの刑に処す。

 

 また、当然の事として、日本全国で行われている、裏金は、

 全額すべて国に返還をし、足りない金額は自分たちの自己負担で補う事。

 まぁ、早い話が、一生、ただ働きだね。 当然でしょ。」

 

カツ丼小僧は、そう言うと、一旦、すうっと、息を吸い込んで、声高らかに雄たけびを上げた。

 

「これにて、カツ丼小僧の大岡裁きを終了します。  一件落着 ! !」

 

 部屋中から、割れんばかりの大きな拍手と、大歓声が舞い上がった。

 

 

 

 

 

 

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