「お~~~~~い、みんな、中へ入れよ。」
カツ丼小僧が玄関から出てきて、そう叫ぶと、
二人の全裸警察官と、スリラー行進隊、その他の野次馬など、総勢50名ぐらいまでが
中に入って来たが、そこで満杯となり、残りは玄関口の外で待たされた。
「ちわ~~~~す。」
「いえいえ、おこんばんは。 お邪魔します。」
「なげえ、旅だったよ、ちかれたび~~~、水をいっぱいくれ。」
「はいはい、ごめんよ、ごめんよ、ごめんなすって。」
大勢の得体の知れぬ人間に、勝手にドヤドヤと自宅に上がられ、責任者は面食らった。
「お、お、お、おい、ちょ、ちょっと待てよ、な、な、なんだ、こいつらは………。
こ、こ、こいつらは、なんだ~~~~~~~~~~ ! !?」
「こいつらはなんだって………、今夜の警察通報事件の真実発表の証人になってもらう人達さ。」
「しょ、証人だと? こいつらがか?」
責任者は目を丸くして驚いた。
「そうさ、証人は、人数が多ければ多い程、有利だろうからねぇ。
まぁ、いずれは、日本国民全員に証人になってもらうつもりだがね。」
「き、貴様、一体、何を言っているんだ? 気でも、違ったか?
何の事を言っているのか、俺にはサッパリわからん?」
今まで、温厚篤実な紳士のような態度を取っていたカツ丼小僧だったが、
急に豹変して、ホテル責任者を指さして、大声で叫んだ。
「おうおうおう、しらばっくれるのも、いい加減にしないかぁ~~~~~~~っ ! !
盗っ人、猛々しいとは、てめえの事だぁ~~~~~~~~っ ! !
今、とびっきりの一大証拠を見せてくれらぁ~~~~~~~~っ ! !
おい、出て来い。」
カツ丼小僧が合図すると、………ジャジャーーン、奥の方から、二人の泣き顔の全裸警察官が、
紐で体を結わかれた格好で姿を現した。