カツ丼小僧氏の優雅な生活。 17

夜中の8時頃、一行が大音響を奏でながら、歩道を行進していくと、

案の定、見物人達が群がって来て、物珍しそうにその様子を眺めていた。

 

「なんだろうな? 一種のチンドン屋じゃないのか?」

 

「いや、そんな? 「スリラー」が流れてるぜ………、

 あっ、前の二人、素っ裸だぜ。 もしかして警官じゃないのか?」

 

最初は制帽のつばで、顔を隠し隠し「スリラー」の振り付けを踊っていた二人の警官だったが、

回りの見物人から、「頑張ってください。」「応援してます。」などと、ねぎらいの言葉をかけられ、

 

その上、日本酒の大瓶を渡されなどすると、もうヤケノヤンパチ、後は野となれ山となれ、

と言った感じで、二人の警官は、思いっきり、その大瓶をガブ飲みし、

顔を真っ赤にして、ぐでんぐでんに酔っぱらい、

 

 「 ウィ~~~ッ、やったるで~~~~~っ、」と大声を張り上げ、

急にハイテンションになり、体の動作も、素早く、活発になり、

いや、むしろ、本物のマイケル・ジャクソン以上の運動神経で踊り出した。

 

「ようし、いいぞ、いいぞ、あっぱれだ。 その調子で踊ってくれ ! !

 もっと、チン○ン、グルグル振り回して、イケイケドンドンだ。

 

 うわっはっはっはっ、 もう酔っちまったら、何が何だか、わからねえだろう。

 二人のコンビネーションも、ぴったり合ってる、バッチ・グーだ ! !」

 

カツ丼小僧は、大はしゃぎで、ピョンピョン飛び跳ねながら前方でカメラを回し続けていた。

  

五分、十分と、時が増すにつれ、人だかりが増え、中には行列に加わり、

一緒に踊り出す者や、携帯で、その様子を撮影する者まで現れた。

パソコンの電源がなくなると、民家で補充するなどして、また踊りの行進を続けた。

 

「そうだ !」 

 

カツ丼小僧は、閃いた、とばかりに手を叩くと、大声で行列隊に向かって叫んだ。

 

 「この近くに、あのホテル責任者の家があるんだ、 これから皆で、そこに立ち寄ろう。」

 

 

 

 

 

 

What's New

ここには全ページに

共通の項目が表示されます。

 

<利用例>

What's New!

 

<利用例>

お問合わせはこちらから