カツ丼小僧氏の優雅な生活。 14

二人の警察官が、完全に自分の意のままになるという事を確信したカツ丼小僧は

ついに、言ってはならない事を言った。

 

「ようし、そのチンチンポーズのまま、今度は三遍回って、ワンと吠え、

 その後、ウンコをしろ ! ! でっけえウンコ、ひり出すんだ。

 これで、やっと犬のお巡りさん完了だ。 ここまでやったら、許してやろう。」

 

 

「くっ、………こ、この野郎 ! ! 下手にでりゃぁ、いい気になりゃぁがって、………」

 

年長の警察官の堪忍袋の緒が、完全に切れてしまったらしい。

いきなり立ち上がって、カツ丼小僧の胸倉に掴みかかり、

顔を近づけて睨みをきかし、「てめえ……。」と、うめき声を上げた。

 

「おい、なんだよ、暴力か? 胸倉掴んだら、犯罪だぜ。 警察官がそれでいいのかよ。

 普段は、お前らだって、他人の肛門覗き込んで、肛門検査やってんだろう。

 いくら、職務とはいえ、本来、そんな事は人権蹂躙だぜ、許される事じゃないんだ、

 このクソ野郎、人前でウンコぐらい出して見ろよ。」

 

カツ丼小僧は自分の胸倉を掴んで、まっ赤な顔をして、いきり立っている警察官の顔に

口の中に含んでいた唾を思いっきり吹きかけた。

 

「これで、お合いこさ、唾を吐きかけるのも、胸倉を掴むのも、同じ犯罪だ、文句は言わせねえ。」

 

すると、今まで、その様子を固唾を飲んで見ていた聴衆の一人が、意を決するようにして叫んだ。

 

「そうだ、そうだ、肛門検査なら俺もやられた事がある。それは、今だって心の傷として

 大きく残っているんだ。 人を人とも思っちゃいねえ。 警察官なんてチンピラ以下だ ! !」

 

警察官は、また一つ、うめき声を上げると、カツ丼小僧に向かって口を開いた。

 

「で、でも、あんただって、SMとか何とか言って、女の肛門、覗いているじゃねえですか。

 あ、あんたが、そんな事言う資格なんかないんじゃないんですか? あんたが……。」

 

「………おい、まだそんな呆れた寝言ほざいてんのかよ、まったく、警察官が聞いて呆れるな。

 俺のやっているSMって言うのは、あくまで両者の合意の下なんだよ、

 苛める方も、苛められる方も、お互い納得して了解済みでプレイしているんだ。

 お互いの自由意思なら、それはそれで尊重されて然るべきじゃないのか? うん?」

 

「へ、へえ、そ、そりゃぁ、もっともなご意見で………。」

 

警察官は、ついに観念したらしい。 

ヘナヘナとその場にしゃがみこんで、ガックリとうなだれてしまった。

 

 

 

  

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