ガチャリ、
「なんでしょうか?」
カツ丼小僧が、おもむろに玄関のドアを開けると、外には、多くの警察官や、
赤色灯を点滅させた数台のパトカー、白バイ、その他、数十人の見物人と思われる人達がいた。
もう、日も暮れかかっていて、薄暗い様子だった。
「カツ丼小僧さんですね?」
二人の警察官が、玄関の前に進み出てきて、警察手帳を突き出して言った。
「はい、そうですが、一体何の御用件で………?」
カツ丼小僧が、そういい終わるや否や、二人の警察官は、いきなり、氏の前にひざまずき、
その場に縮こまって、ぶるぶる震えながら土下座をしたかと思うと、大声で泣き叫びながら、
「ゆ、許してくださいまし~~~~~っ、 カツ丼小僧様~~~~~~~っ、
み、みんな、私らが悪いんでございます~~~~~~っ、
私らの、あなた様に行った卑劣な行為は、鬼畜にも劣る行為でございました~~~~~っ ! !
どうか、どうか、ご勘弁くださいまし~~~~~~~っ ! !」
と、カツ丼小僧に哀願し始めたのである。
カツ丼小僧は、最初ちょっと、とまどった様子だったが、暫く考えた後、
「うん、まぁ、本当は今頃、とっくに遅いんだが、それでも、誤りに来ないよりは全然ましだ。
改心したというのだな、……よしよし、いい心掛けだ。
もう、ホント、このまま永久に来ないものかと思っていたよ。
おまえらにも、人間の持つ善良な心があったと知って、俺も少しは安心した。心が晴れたよ。」
と言って、二人の警官に、リビングの部屋の中に入るようにと催促した。
二人の警官は、恐縮しきりで部屋の中に入ったが、中に二人の脅えきった顔をした男達がいるのを
発見すると、「この方達は、誰ですか?」と不安そうに尋ねた。
「ああ、こいつらの事はどうでもいい、うっちゃっといてくれ。
おい、おまえら、警察官に、何か言いたい事があったんじゃないのか?
言いたいことがあるなら、遠慮なく言ったらどうだ?
ちょうど、おあつらえ向きじゃないか。」
カツ丼小僧が博士たち二人にそういうと、二人は顔面蒼白になって、震え上がり、
お互いを抱きしめ合いながら、泣き叫んだ。
「な、何も、言う事などは、ございませぇぇぇ~~~ん、
許してくださぁぁぁぁい。」
そう言い放つと、膝を震わせながら、やっとの思いで、部屋の外へ出て行った。
「さぁ、邪魔者は消えたところで、ポリスさん、………、ゆっくりと、お話を、お伺いしましょうか?」