カツ丼小僧氏の優雅な生活。 11

ガチャリ、

 

「なんでしょうか?」

 

カツ丼小僧が、おもむろに玄関のドアを開けると、外には、多くの警察官や、

赤色灯を点滅させた数台のパトカー、白バイ、その他、数十人の見物人と思われる人達がいた。

もう、日も暮れかかっていて、薄暗い様子だった。

 

「カツ丼小僧さんですね?」

 

二人の警察官が、玄関の前に進み出てきて、警察手帳を突き出して言った。

 

「はい、そうですが、一体何の御用件で………?」

 

カツ丼小僧が、そういい終わるや否や、二人の警察官は、いきなり、氏の前にひざまずき、

その場に縮こまって、ぶるぶる震えながら土下座をしたかと思うと、大声で泣き叫びながら、

 

「ゆ、許してくださいまし~~~~~っ、 カツ丼小僧様~~~~~~~っ、

 み、みんな、私らが悪いんでございます~~~~~~っ、

 私らの、あなた様に行った卑劣な行為は、鬼畜にも劣る行為でございました~~~~~っ ! !

 どうか、どうか、ご勘弁くださいまし~~~~~~~っ ! !」

 

と、カツ丼小僧に哀願し始めたのである。

 

カツ丼小僧は、最初ちょっと、とまどった様子だったが、暫く考えた後、

 

「うん、まぁ、本当は今頃、とっくに遅いんだが、それでも、誤りに来ないよりは全然ましだ。

 改心したというのだな、……よしよし、いい心掛けだ。

 もう、ホント、このまま永久に来ないものかと思っていたよ。

 おまえらにも、人間の持つ善良な心があったと知って、俺も少しは安心した。心が晴れたよ。」

 

と言って、二人の警官に、リビングの部屋の中に入るようにと催促した。

 

二人の警官は、恐縮しきりで部屋の中に入ったが、中に二人の脅えきった顔をした男達がいるのを

発見すると、「この方達は、誰ですか?」と不安そうに尋ねた。

 

「ああ、こいつらの事はどうでもいい、うっちゃっといてくれ。

 おい、おまえら、警察官に、何か言いたい事があったんじゃないのか?

 言いたいことがあるなら、遠慮なく言ったらどうだ?

 ちょうど、おあつらえ向きじゃないか。」

 

カツ丼小僧が博士たち二人にそういうと、二人は顔面蒼白になって、震え上がり、

お互いを抱きしめ合いながら、泣き叫んだ。

 

「な、何も、言う事などは、ございませぇぇぇ~~~ん、

 許してくださぁぁぁぁい。」

 

そう言い放つと、膝を震わせながら、やっとの思いで、部屋の外へ出て行った。

 

 

「さぁ、邪魔者は消えたところで、ポリスさん、………、ゆっくりと、お話を、お伺いしましょうか?」

 

 

 

 

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