カツ丼小僧氏の案内してくれた、大きなキッチン・ルームの一番片隅に、
人の背丈より、やや小さめの戸があって、カツ丼氏はその前で立ち止まると、
厳かに二人を見据えて言った………。
「この中に、何が入っていると思う? 当ててみてくださいよ。」
「う~~~ん、昔の大判小判ですか? それとも宝の地図で探し当てた金貨………。」
「いいや、ワシは、恐らく、あなたの事だから、絶世の美女達が大勢この中に閉じ込められていて、
夜になると、一夜一夜交代で、あなたのお相手をしてくれるのではないかな?
もしかしたら、AKB48のメンバーや松下奈緒ちゃんが出て来るとかね。」
「ははは………、俺のチ○ポは、今、萎えちゃってんだ。 いくらなんでも、それはナシだ。」
「博士の頭の中って、ホント……、アイドルや女性タレントの事しかないのかなぁ………。」
「わっはっはっはっはっ、 それでは開けてみようか? さあ、お立合いだ、
二人とも、開けてビックリ、見てビックリするなよ。」
「♪な、に、が、で、る、か、な、? ♪な、に、が、で、る、か、な、?」
カツ丼氏の事だから、恐らく、相当驚くような物が、中に入っているんじゃないかと、
二人は好奇と期待に、胸躍らせながら、カツ丼氏が取っ手をひねるのを待った。
一瞬の緊張の後………、
彼が扉を開けると、中から、制服を来た3人の男が、ドサドサと倒れ込んで飛び出てきた。
そして、何か血なまぐさい、気持ち悪くなるような異臭が鼻をついた。
よく見ると、その3人の制服の男達は警察官だった………。
青白い顔をして、口をポッカリ開けて、血反吐を吐いていた。もう死んでいるらしい………。
「ふふふ………、どうだい? 驚いただろう………。
警察官の死体だ………、 しかも3人、………人の死体を生で見るのは初めてなんじゃないかな?」
「………………………。」
「嘘じゃない、本物だぜ。 本物の警察官の死体だ。 どうだい? 驚いただろう?」
「………………………。」
「もちろん、俺が殺した訳じゃないよ、三日ぐらい前から、ここにあるんだ。
何でここにあるのかは俺にもわからない。
俺にもわからない内に、いつの間にか、ここに入っていたんだ。」
「………………………。」
「おいおい、黙っていないで、何か感想を言ってくれよ、
あまり、黙っていられたんじゃ、俺だって困っちゃうよ、さあ、思った事を言ってくれ。」
「………………………。」
「わかった、 まぁ、ここで立ち話もなんだから、さっきのリビングに戻って話をしよう?
…………、ん? な、なんだよ? 震えているのかよ? 足がガクガクしているぜ。
あーーーっ ! ! ふ、二人とも、オシッコ漏らしてやがる! !
おいおい、肝っ玉小さすぎるぜ、 今日生憎お手伝いさん休みで、いないんだ。
小便の後始末、ちゃんとしといてくれよな。」