カツ丼小僧氏の優雅な生活。 6

「おほっ ! ! 今、朗報が入った、中日ドラゴンズの谷繁が、

 ついに神宮球場で、2000本安打の偉業を達成したそうだ。

 昨日の中村紀洋に続いて、史上44人目だそうだ、素晴らしい、………ガッツだぜったら、ガッツだぜ ! !」

 

どうやら、イヤホーンで密かにナイターを聞いていたらしい。

カツ丼氏は、その場でいきなりソファーから立ち上がり、

大喜びで万歳三唱したかと思うと、またすぐに、ドスンと腰を降ろして、

二人のグラスに、赤ワインを継ぎ足した。

 

「これで、プロ野球界も大いに盛り上がる。 さぁ、お祝いだ、 ジャンジャン飲んでくれ。」

 

「まぁ、それはめでたくて、恐縮なんですが、とりあえず、警察の話を………。」

 

「警察? まぁ、俺の場合は神奈川県警なんだが、むかっ腹が立って、しょうがない。

 本当は警察官、全員殺してやりたい所を、何とか理性で押さえているんだ。

 まぁ、実際、殺しはしないし、そんな勇気もない、安心してくれ。」 

 

彼は、グラスワインを、一思いに、グーーーーッと、飲み干すと、大きなため息を、一つついた。

 

「あの、マミーが、どうとか、………。」

 

「そうなんだ、俺は、ここの所、およそ、10年近く、神奈川県警に、いわれもない嫌がらせを

 受けてきた。まぁ、詳しい事は、俺の「カツ丼小僧公式ホームページ」のホーム(ブログ)にある、

 「フナムシ警察25時、! !」を見てくれ、左下の「サイトマップ」をクリックしてくれれば、すぐだ。

 

 とにかく、あんな卑劣で恐ろしい悪の犯罪組織は、他にはないと言い続けているんだ。

 国民の多くは、それを知らないし、自分と直に関係なければ、どうでも良い事かもしれない。

 とにかく、法に触れることも、もう当たり前のように、やっているんだが、

 悪い事でも、法に触れなければ、やってもいいんだ、という考えも根底に大きくあるんだ。

 

 とにかく、俺が大好きで、いつも買っていたマミーが、いきなり俺が住んでいるマンションの傍の

 コンビニから、姿を消したんだ。 不思議としか言いようがない。

 それも、一つのコンビニではなく、二か所だ。とても偶然とは思えない。

 

 いや、君たちは偶然だと思うかもしれないが、警察は、俺のマンションの部屋に、

 何十回も、平気で出入りしているんだ、「ちょっくらごめんよ、いいんだよ、

 警察のやる事なんだからね、後で、どうとでもなるんだよ。」てな感じで、

 気軽に出入りしているんだ。そして多くの物を盗んで行った。

 そんな奴らのやる事なんか、到底信用できるかよ。

 コンビニ店員と警察がグルになって、………と俺が勘ぐるのも無理がないだろう。」

 

「でも、マミーが、そんなに重要なんですか?」

 

マミー ! ! おお、マミー ! ! あれは、俺にとって、命の次に大事な………。」

 

彼は急に立ち上がると、両腕を上げ、身を震わせて慟哭した………。

博士らが、あっけにとられて、見上げていると、急に彼は、我に返った。

 

「ああ、すいません、つい、取り乱してしまって、………申し訳ない……。

 あれ? 何の話でしたっけ? ああ、そうか、警察が無断で俺のマンションに………。」

 

「じゃぁ、マンションの管理人が、平気で、カツ丼小僧さんの部屋の合鍵を、警察に渡したと

 いう訳ですね。」

 

「もうね、だめですよ、警察というだけで、どいつもこいつも、いいなりですから。

 有隣堂という本屋も、警察と一緒になって、俺を、つまはじきにしたんだ。

 絶対に、許す訳にはいかない。卑劣な奴らだ。必ず、乗っ取ってやるつもりだ。」

 

「乗っ取るって………?」

 

「そう、空想の世界の中では、もう、完全に俺の物になっているんだ。」

 

 

 

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