カツ丼小僧の面白Q&A、「どうしてですか?」 12

「博士~~、昨日は、いい所で話がブツ切りになりましたね~。」

 

「そうじゃのぉ~、まぁ、今日は、その最後の締めくくりじゃ、心して聞いてくれ。

 

 

 シリのセリ市が、ついに、「八百万」という所で、佳境を向えようとした、まさにその時、………

 いきなりタキシードの男が、その娘の肛門に、チューリップやシクラメンなど、

 多くの種類の花の束を差して、 パアンパアンと思いっきり尻たぶをぶっ叩くや否や、

 「これでどうかね ! !」、と叫んだのじゃ。

 

 ワシは、その時、自分の目を疑ったぐらいじゃ ! !

 まんぐり返しで、肛門に花束をブッ差された花屋の娘の体が、まるで、バーーーッと、

 後光が射したかのように、オーロラのように、光輝いたんじゃ………。」

 

「どうして、オーロラなんですか? 北欧でもないのに……… どうしてですか?」  

 

「ワ、ワシにも、ようわからん。 まるで荘厳なるCGの映像のようじゃった。

 ワシには、その娘の体が、何か、透き通ったガラスの24色の花瓶のようにも見えたんじゃ、………。

 そして、肛門に差されていた数々の花々の、なんと美しかったことか………。

 

 ワシは、その時、その光景の神々しさに思わず身震いし、両腕を思いっきり上げて、

 大声で、「ザ・こうもーーーん ! !」と仰々しく雄たけびを上げてしまったのじゃ。」

 

「どうして、肛門なんですか? 花の美しさではないんですか? どうしてですか?」

 

「い、いや、なんというか………、まぁ、菊花とも言うではないか………。

 思わず、そう叫んでしまったんじゃ………。

 

 それでな、暫くは、その美しさに見とれて、茫然自失としていたんじゃが、

 購買希望者の「三千万 ! !」、と言う声に、ハッと我に返ったんじゃ………。

   その後、矢継ぎ早に、「五千万」、「八千万」、と値が上がり、遂には「一億」とまでの

 購買希望者が現れたんじゃ………。

 

 ワシは、もういたたまれん気持ちになってな………、思わず………、

   「いちおく、いっせんまぁぁぁぁぁん、プラス、ト、ヨ、タ、の、ハイブリッドカーーーー ! !」

  と、大声で叫んでしまったのじゃ………。

 

「どうして、トヨタなんですか? 日産では、いけないんですか? どうしてですか?」

 

「字数じゃよ、字数、………ニッサンでは、一文字、多くて話づらいだろう………。 あと語感。

 まぁ、結局そういう訳で、ワシが、その娘と花束を落札したという訳じゃ………。」

 

「えっ? 本当ですか? 博士、そんなにお金持ちだったんですか?」

 

「いや、あの美しさは、金には代えられんよ………。 

 去年の暮、やっと借金を全額返済し終えた所じゃ。」 

  

「それで、女の子の方は、どうなったんです? 今でも何かしら、付き合いはあるんですか?」

 

「いや、それが、今のウチの女房じゃよ………。」

 

「えっ………?」

 

「いや、本当じゃ………、現在まで、およそ20年間、ワシと仲睦まじく暮らしておる………。」

 

「どうしてですか? どうして、こんなに羨ましい話があるんですか? どうしてですか?」

 

 

    

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