こんにちは。 事件の影に女あり………。 犯罪の影に女あり………。
やはり、何でもそうですが、美女が絡んでこないと話は盛りあがりません。
そして、美女とのミステリアスな事件に遭遇したいカツ丼小僧です………が………、
それはあくまで空想の世界においてだけ………振り回されるのはまっぴらです。(笑)
今回は1978年6月に公開された映画「事件」。
監督 野村芳太郎、 原作 大岡昇平、 脚本 新藤兼人さん(100歳まで生きた凄い人)
1978年というと、ちょうど中学3年の、僕が千葉から横浜に移転してきた年で、
まだ松坂慶子さんの事は知りませんでした。
(1979年の「愛の水中花」からですので……。)
つまり、この映画は松坂さんの25歳の時の作品です。
水もしたたる、いい女 ! ! 松坂慶子 ! ! やった~~~~~~っ ! ! ! ! (笑)
この映画は、最初から、主に裁判所の、弁護士、被告、検事、裁判官、等の
当時の法廷内でのやり取りが中心となっていますので、
大変映画にはしづらい物だったのではないかと思います。
何度も繰り返し観ていると、段々、意味が呑み込めてきますが、
最初の一回観ただけでは、ちょっと理解するのは難しいと思います。
全ては、法廷内での回想シーンが頼りの映画です。
前回の「不撓不屈」と同様、ちょっと固い作品で、
ストーリーだけではなく、裁判のあり方等についても、深く考えさせられる映画で、
娯楽作品というよりも、慎重に筋を追っていくタイプの作品です。
ただ、この作品の中で、不良のヤクザ者を演じる、渡瀬恒彦さんの演技は目を見張るものがありました。
渡瀬恒彦さんは石ノ森章太郎さん原作の「おみやさん」でもキラリと光る、珠玉の演技を
見せていましたが、センスのある、いい男を演じさせたら、この方の右に出る者はいません。
もちろん、弁護人役の丹波哲郎さんも、いい演技をしていましたが、
あれは、なにか、本人そのままの「自」ではないか、という気もするんですが………。(笑)
ところで松坂さんですが、この「事件」をも含めた若い頃の作品、
「配達されない三通の手紙」(1979)、や「 わるいやつら」(1980)等では、
結構、蓮っ葉な、悪いネーチャン役を、演じていて、今のような、「下町人情お母さん」役とは
随分と、印象は違いますが、「死の棘」(1990)を境に、印象が少しづつ、
ソフトな路線に変化して来ているように思います。
でも、若い頃だって、本当の悪役、という訳ではなく、なにかこう、暗い影を持った、
ミステリアスな謎を秘めた女、という感じで、僕にとっては、そこがたまらない魅力でしたよ。
本当に嫌な女の役など、もちろん本質的な性格が良い人である松坂さんに回って来よう筈もありません。
でも、演技の中で、酷い悪人の松坂さんも、一度は見てみたい、という
ファンとしての欲望はありますがね………。(笑)
※この映画の他の出演者(キャスト)は・・・
永島敏行、 大竹しのぶ、 芦田伸介、 佐分利信、 乙羽信子、
西村晃、 佐野浅夫、 中野誠也、 北林谷栄、 森繁久彌さん、等です。