高校生になってからは、活字の本(小説や随筆)などもいくらかは読むようになり、
こんな僕でも、いくらかは大人の世界の仲間入りが出来るようになりました。
色々な作家の本を読んでみましたが、最終的に面白いなぁ、と思ったのは、筒井康隆さんでしたね。
いや、子供の頃から、活字は苦手だったんですが、(前にもこのブログに書きましたが、)
中学3年の夏に千葉から横浜に来て、こちらでは、みんな活字の文庫本を読んでいますので、
驚愕のカルチャーショックを受け、焦り狂って僕も片っ端から、文庫本の小説を読みましたが、
中々、時間がかかって先に進まず、あまり興味が持てないものでもチンタラチンタラと読んでいたのですが、
あるとき、筒井康隆さんの "SFジュブナイル"作品、「時をかける少女」、「緑魔の町」、「ミラーマンの時間」を読んで、 その作品が、とても面白く、しかも何の苦痛も感ぜず、スルスルと読めたので、自分ながらに感動し、もっと読みたいと思い本屋で探したのですが見つかりませんでした。
どうやら、筒井さんの子供向けSF作品はその3冊だけのようでした。
でも、子供向けとはいっても、小さな字で書かれてある文庫本の小説を読破したというのは、
僕にとって画期的なことです。(笑)
それで高校に入ってからは、筒井さんの著作を色々と読み漁りました。
今、ネットで調べてみたら懐かしいタイトルがズラリと並んでいましたね。
「農協月へ行く」、「ホンキイ・トンク」、「にぎやかな未来」、「ウィークエンド・シャッフル」、
などです。 本のカバー絵まで、蘇ってきました。
みんな短編集で、おもしろおかしく読ませて頂きました。
ただ、当時は本当に面白かったんですが、今では、殆ど忘れていて思い出せません。
もし、またいつか、時間が空く時があれば、ゆっくりと読み返してみたいです。
長編では、「俗物図鑑」を読みました。
確か、単行本の表紙カバーの絵は、山藤章二さんの筆によるものではなかったでしょうか?
(間違っていたら、すいません。)
この「俗物図鑑」は、もちろんエロ小説ではありませんが、どうも筒井さんの作品というのは、
なにかこう、妙に色つやがあるというのか、本の中、文の行間の隙間、隙間から、女や酒の香りが漂ってくるんですよ。
この「俗物図鑑」などは、その最たるもので、僕はベッドの上で、ゴロゴロ寝そべりながら、
読んでいたのですが、なんか、段々気持ちよくなってきて、(他に、色々とケシカラン事を想像しながら、アソコを弄くりながら読んでいたという事もあるでしょうが)、 数回程、エクスタシー(絶頂)に達してしまったことがあります。
まぁ、僕のような者が、あのような天才作家を批評するのも、大変おこがましいのですが、
やはり、あの方は、史上最強の天才です。(笑) とてもじゃないですが、怖くて近寄ることはできません。(笑)
いえね、本の中に、筒井さんの若い頃の写真などが、たまに載っていたりするんですが、
本当に頭の良さそうな顔をしているんですよ。なにかこう、全てを見透かしてでもいるかのような、涼しげで自信のありそうな顔です。
若い頃は、「いや~、この人は、ちょっと違うな。自分とは別世界の人間だろうな。」
っていつもなにか、ひけめみたいなものを感じていました。
恐らく、僕と筒井さんに共通するのは、ウンコとエロスだけでしょう。(笑)
でも、ある時、筒井さんが本の中で「ウンコ、ウンコってバカにするけど、ウンコを素材にして笑いをとるのは、実は本当に大変で難しい事なんだ。」と書いていたのを見つけた時、
「あっ、もしかしたら俺、そのジャンルでは筒井さんに勝てるかもしれない。」と、一瞬思いましたね。
一筋の光明が、頭の中に差し込んできた感じでした。 天才にも死角ありですか。(笑)