先日、漫画のウィンゲート親子の話をしましたが、
今回は、僕の理想の男性像であるムッソリーニの話をします。
正直なことを言うと、僕は学生時代、このムッソリーニという
人物には、まったく興味がありませんでした。
だってそうでしょう。誰もが思っている事でしょうが、
独裁者として、ヒトラーと二人並べられて、
悪玉としては、ヒトラーより格段に小さな人物だという
イメージしかないからです。
もう、とにかく戦争後は、ヒトラーばかりが大きく
取り上げられ、ムッソリーニの存在は、何処か遠く彼方へ、
吹き飛ばされてしまったような感があります。
しかし、僕が大人になって、戦争当時の映像フィルムを
見たり、本などを読み進めていくうちに、
一つの大きな事実が浮かび上がってきたのです。
それは、ヒトラーのやったことは、みんなムッソリーニの真似であったということです。
この事については、歴史を専門にやっておられる方なら誰もが知っている事実ですが、
恐らく一般の方は、ほとんどの方が知らないのではないでしょうか?
政治理念はともかく、パフォーマンスや行動をすべて真似しています。
どうやら、ヒトラーはムッソリーニの事が、よっぽど好きだったようです。
その事実として、1920年代には、ヒトラーはムッソリーニに対して多くのファンレターを送っているのです。
そして更に驚くべきことには、ムッソリーニは、当時そんなものには目もくれなかった、という事実です。
戦時中、段々とドイツの立場が優位になるにつれ、(当然ですが)二人の立場までもが逆転してしまい、
戦争が終わってみれば、最終的にはヒトラーが、スケールの大きな悪玉となり、
ムッソリーニは、ヒトラーに追随しただけの、ちっぽけな人物ということになってしまったのです。
ただ、ムッソリーニは、非常に繊細な性格を内包していて、実際は見かけよりもかなり気の小さな
人物だったのは確かです。(表向きは冷静を装っていたようですが……。)
ヒトラーのファンの方(?)には、大変申し訳ないんですが、僕の中では、ヒトラーという人間は、
ただ、6つ年上の憧れの先輩、ムッソリーニの猿真似をしてきただけの、本当に信念のない、
なんの中身も理念もない、つまらない詐欺師、ペテン師に成り下がっています。
まぁ、当時だから良かったのですが、今、これだけ情報通信網が発達している中で、
あんなことをしたら、一発で見破られ、世界中の笑い物になるのがオチですよ。
あのユダヤ人の大量虐殺も、本当に自分の考えや信念に基づいて行ったんでしょうかねぇ……。
まぁ、人の心の中の、本当の所は他人にゃ絶対にわかりませんがね。
ところで、実はムッソリーニも、ある人物から多大な影響を受けていたのです。
作家であり、詩人の、ガブリエーレ・ダンヌンツィオです。
三島由紀夫も影響を受けた人物で、イタリア・ファシズムの根幹思想も、彼の理念に基づいています。
………となると………20世紀最大の諸悪の根源、そのオリジナル独創家は、
ダンヌンツィオ……という事になるんでしょうかねぇ………。
あ……。 ダンヌンツィオ・ファンの皆さん、すいません。(笑)