僕の絵について、よく聞かれるものの一つに、

 

「なんで、女の顔の鼻の下の所が緑色なのよ？」

 

………というのがあります。

 

今回は、そのことについて少し詳しく説明します。

 

まずは、右側の絵をご覧ください……。

 

知る人ぞ知る、加藤かほるさんの描く

妖艶美女イラストです。

 

プロフィールにも書きましたが、加藤かほるさんは、

僕の大好きな画家の一人で、どこかに「女史」と

記してありましたので、女の方であると思いますが、

年齢だとか、いつの時代の人だとか、

今現在、生存しておられるのか、など、詳しい事は

知りません。

 

僕が投稿したイラストが、初めて「マニア倶楽部」

（三和出版）に掲載されたのが、平成15年の4月

だったのですが、実はその半年ぐらい前あたりから

暫くの間（数か月ぐらい）、この加藤かほるさんの

イラストを、必死に模写していたのです。

 

その段階ではまだ、どこに投稿しようかなどとは、左程、深刻に考えてはいませんでしたが……。

 

加藤かほるさんの描く女性は、僕の最も理想とするものです。

 

全てが素晴らしく、申し分ないのですが、特に鼻の形が気に入っていました。

 

まぁ、自分の鼻が小さく、貧相で潰れちゃってるから、

必然、筋の通った高くて大きな鼻に憧れるんでしょうねぇ……。

 

で、彼女の描いた鼻では、鼻の下の部分が影になっていて、墨で薄く塗られていました。

 

そうです。たとえ、（いや、彼女の描く「鼻」は全てそうなのですが、）

 

鼻の穴が天井を向いていても、やはり影があるのです。

 

それで僕も、その鼻のスタイルが物凄く気に入って、一生懸命、模写しました。

 

ただ僕は、元々が漫画家志望で（特にギャグ漫画を描いておりました。）

絵がとても簡略化しておりますので、どんなに模写しようとも、

彼女の絵に「そっくりすぎる」ということにはなりませんでした。

（それが、かえって良かったと思います。）

 

それで今度は、鼻の穴に挑戦してみたのですが、何度描いても、一向にうまく描けず、

汚くなるばかりなので、しょうがないから描かないことにしました。

（それも、かえって良かったと思います。）(笑)

 

それで次に、いよいよ「色」という事で、最初は黄色のちょっと濃いやつで、

黄土色というのを塗っていたのですが、ある時、何気なく緑で塗ってみたら、

 

女の顔が、物凄く明るく生き生きとして見えたのです。

 

いや、顔だけでなく、背景なども含めた絵全体そのものが、パーーーッと明るく見えたのです。

 

それでも顔や絵そのものが、不自然に見えるというのでしたら、

それはちょっとまずいんでしょうが、自分としては、そんな感じは一向にしなかったので、

 

よし!!  これはいい!!  これでOKだ!!  ということになったのです。

 

まぁ、そうはいっても、いつも100％緑、ということでもありません。

 

たまには、水色だとか、薄紫だとか、オレンジや黄色を使う時もあります。

 

しかし、たかが鼻の塗り方一つで、こんなにも雰囲気が変わってしまうなんてねぇ……。

 

ただ、これはあくまでも、僕の画風にピッタリとフィットしたということであって、

他の人の絵でやったからといって、決してうまくいくとは限りませんが……。(笑)