昨日、古本屋で石ノ森章太郎さんの単行本「オトナな石ノ森」
という本を見つけました。(徳間書店・発行)
初版は今からおよそ一年半くらい前になります。
実は僕は、中学高校時代(今に至るまで)石森マンガの
大ファンで、(以前は石森章太郎でした)
特に石森さんの描く大人向けの漫画が大好きでした。
小気味よいシャープなペンタッチ、リズム感のあるコマ運び、
キャラクターの表情、面白いストーリーの展開、
どれもが僕に強烈で心地よい刺激を与えてくれました。
しかし、中でも僕の心を一番惹きつけたのは、
氏の描く妖艶な女性でした。
雨に悩める海棠の如く、うれいを帯びた影のある女……
若き日の僕は、そんな石森ワールドに出てくる女が憧れでした。
(今は違います。積極的で明るく突進してくる女、大好きです。)
当時、僕が繰り返し読んでいたのは、「奇妙な友人たち」、「7P」、「びいどろの時」、
「アガルタ」、「馬がゆく!」、等でしたが、今回、この「オトナな石ノ森」に収録されている
短編は殆どが、まだ読んでないものばかりでした。
ですから、僕も若き日にタイムスリップして、楽しく読めたのですが、同時に、
あ、石森さん、こんな作品も描いていたんだな、と奇妙な感慨も湧いてきたのです。